平成27年の法改正で、相続税の増税がスタートしました。
この高い相続税を安くするために、不動産を用いた節税対策を紹介いたします。
相続税の「評価額」とは?
建物評価は、実際にかかった建築費用ではありません。評価の対象は「固定資産税評価額」です。
固定資産税評価額とは、市町村の税務課の固定資産課税台帳に登録してある土地や建物の評価額のことです。固定資産税評価額は国が定めた「固定資産評価基準」に基づいて市町村が決定します。
土地は、国税庁が定めた「路線価」が基準。路線価が定められていない地域は倍率方式により評価されます。
現金ではなく建物で! 半分以下の評価になります。
一般的には、相続税に直接関係する「評価額」は土地については公示価格の70%、建物については建築費の50?70%とされています。現実にはこれ以下になり、建築費の半分以下になる傾向にあります。
さらに賃貸住宅にすることで、大きな節税対策となるので、見てみましょう。
貸家・賃貸マンションの購入・建築で節税
まず、現金と不動産で、相続税の評価額が変わります。
現金1000万円 | 相続税の評価額:1000万円 |
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1000万円で貸家購入 | 相続税の評価額:700万円【1000×(1-30%)】 |
貸家を購入することで、評価額は約30%減ります。評価額が減った状態で、税務署は相続税を計算します。1000万円と700万円がそれぞれ計算されるとしたら…大幅に相続税を減税できますね。
建物だけでなく、相続税上、貸家の土地も評価額が変わります
建物は30%評価額が減りましたが、土地は地域によって異なります。
借家権割合 = 30%で全国一律
借地権割合 = 60%の地域と70%の地域がある
1000万円の土地 | 相続税の単純評価額:1000万円 |
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貸家が建てられた土地 | 土地の評価額 × (1- 借家権割合 × 借地権割合) 1000万円 30% 70%or60% |
計算例 : 70%の場合 | 評価額:1000万円×(1-30%×70%)=790万円 |
計算例 : 60%の場合 | 評価額:1000万円×(1-30%×60%)=820万円 |
いずれのパターンにせよ、約20%評価額が下がります。2割の節税が可能ということになります。
さらに「小規模宅地等の優遇措置」「広大地評価」などもあり、不動産の評価額を下げる方法で、相続税の減税を図ることができます。
またマンションなどで評価額の計算方法が異なるものもあります。
評価計算はプロではない方には難しいと思います。ぜひとも地域のアドバイスを確実にできる、プロがいる不動産会社に相談してください。